インターネット通販大手アマゾンの配達員が配達中に負ったけがについて宮崎労働基準監督署が労災認定を出しました。弁護団によるとアマゾン配達員の労災認定は全国で2例目とのことです。
(https://mainichi.jp/articles/20250319/k00/00m/040/240000c)
労働者災害補償保険法(労災法)や労働組合法など、労働関係の法規が適用されるかどうかについては、それぞれの法規における「労働者」に該当するかどうかで決まります。そうは言っても、各法規の間で「労働者」の概念にそれほど違いはありません。
労災法上の「労働者」は労働基準法(労基法)上の「労働者」と同一と解されており、労基法9条は「労働者」を「職業の種類を問わず、事業又は事務所…に使用される者で、賃金を支払われる者をいう」としています。一見シンプルな定義ですが、この「使用される」又は「賃金を支払われる」といった文言から、「労働者」に該当するかどうか(労働者性)を形式的に判断することは困難ですし、労働者保護の趣旨からも、労働者性は実態に即して客観的に認定されます。例えば、単に「業務委託契約」などの名称を付した契約を締結していたからといって、それのみで労働者性が否定されることはありません。
労働者性は、主に指揮監督下の労働といえるかどうか(仕事の依頼や業務上の指示に対する諾否の自由の有無等)、報酬が労務と対償性を有するか(作業時間に応じて支払われているかどうか等)といった観点から、総合的に判断されます。
上記の事件では、「アマゾンが提供するアプリを通じ割り当てられた配送ルートがあり拒否する自由はない」ことや、「配送状況はアマゾンやその下請け会社に全地球測位システム(GPS)でリアルタイム監視され」ている(R7.3/20付毎日新聞朝刊「総合・社会面」)こと等の主張が、「指揮監督下の労働」という側面でプラスに働き、労働者性が認められたものと思われます。